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 四囲を緑の丘陵に囲まれた神奈川県足柄上郡大井町篠窪集落。往古、列島を東西に結ぶ、幹線路の足柄古道「矢倉沢往還」が集落を貫いていた。
集落西方の峠には古道名残の富士見塚がある。海抜250メートルの塚からは名峰、富士山をはじめ、箱根外輪山、相模湾、足柄平野が一望出来る。昔日、往還を往く旅人は塚で足を止め、雄大な富士を眺めた。「冨士山大神」、塚には達筆な字を彫った石碑が建つ。
すぐ南側には源頼朝が富士の巻狩の途次を留め、旗揚げの地、伊豆半島を眺めた、と伝えられる「頼朝駒留めの榎跡」もあり、由来の石碑や榎の大木がそびえている。

 集落東南の山頂(海抜 300メートル)には鎌倉時代から篠窪の地頭だった二階堂一族の二階堂出羽守政貞公が眠る「了全塚」が今も残る。塚のある前山東方には蛍の舞う「篠窪幽谷」が600メートルにわたって延び、静寂な環境を保っている。
また集落西方には椎の巨木が茂る神社として知られる、三嶋社がある。
擂り鉢の底のような地形の中に展開する民家は江戸期には戸数60戸ほどといわれた。
集落をぐるりと囲む、メートルの丘陵が宅地開発や企業進出を妨げ、たたずまいは昔日と変わらない。

見どころ

富士見塚
三嶋社・椎ノ木森
了全塚
篠窪幽谷
矢倉沢往還路跡
新編相模風土記に描かれた篠窪

地図