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富士見塚

富士見塚にある「冨士山大神」の石碑。達筆の字が彫られている。

 景観に勝れた富士見塚は地元篠窪のみならず、県西地方の名所となっている。
海抜240メートルほど。塚は篠窪の西外れに位置する。矢倉沢往還路跡を挟んで両側に昔から塚が対となり、残されている。だが南側の塚は70年代にトイレ建設のため、破壊され、その後復元されたいきさつがある。塚から眺める富士山は絵に描いたよう。足柄平野を眼下に、箱根の山越しに秀麗な姿を見せる。

満開のさくらの向こうには富士が。富士見塚周辺の春景色。
桜と富士山は篠窪一の風景。


 昔から道行く旅人が足を留めた景勝の地では、いまも景観は変わらない。北側の塚には昭和初期に建てられた「富士山大神」と達筆な文字で彫られた石碑が建っている。反対側の塚には山岡鉄舟の「晴れてよし 曇りてもよし 不二の山」の碑も建てられている。景色が良いためハイカーなどに大人気だが、地元でも土地一番の景勝地として折り紙付き。昭和の初期には富士見塚周辺で、春先には盛大な大凧揚げが、集落あげて開催された記録が残されている。

富士見塚名号碑
富士見塚に建つ山岡鉄舟の富士賛歌の碑
源頼朝の駒留めの記念碑と榎


 またすぐ南側には「源頼朝公駒留めの地」の石碑も建っている。頼朝が富士の巻狩の途中馬を留め、富士山や旗揚げの地、伊豆、小田原を眺めたと云う伝説の地であり、馬を榎につないだ、といわれている。このあたりは榎本という字名が残り、碑のそばには榎の大木がそびえている。またこのとき頼朝に茶を点てたという茶釜が、篠窪の元名主の家に伝わっている。